喘息を上手にコントロールして発作のない生活を送るには、日々の吸入療法に加えて、自宅の環境を整えることもとても大切です。
特に寝具はホコリ、ハウスダスト、ダニの温床になりやすく、年季の入った実家の布団に寝ると喘息発作が出る、なんてことを経験している方も少なくないかと思います。
この記事では、呼吸器内科医の私が、喘息のある夫・長男のために調べに調べてたどりついた、実際に発作が起こらなくなった寝具をご紹介します。
喘息患者さんやそのご家族の、寝具選びのお役に立てば幸いです。
寝室で子供が遊ぶと、夫がぜーぜー言い始める
私の夫は喘息です。寝室で子供が少しはしゃぐだけでぜーぜー言い始めて辛そうでした。
ちょこちょこ発作が出ているくせに、定期吸入をしない、服薬コンプラ不良患者です(;゚ロ゚) 発作予防には日頃の定期吸入が本当に大切なんですよ!(ブログを通して再通達してみる)
私も小児喘息で発作を起こしていましたし、喘息患者さんの治療も行っているので発作の辛さはよく分かります。
疲れた体を休めたい寝室で喘息が増悪するのはきついことです。
しかもそれが毎日のことですから、なんとか改善してあげたい、と思いましたが、実際どの寝具を買えば良いのか分かりませんでした。
どうしようかと悩んでいたころ、長男も1歳の時に喘息発作がでました。
こりゃいかん、と我が家の寝室改造を決意した、というわけです。
患者さんには「埃の出にくい寝具が良いよ」と言うものの、具体的にはどんな寝具が良いか全く知りませんでした。
患者さんにもお伝えできるよう、良い寝具を発見したい!
注目すべきは発生するホコリの量とダニ対策
皆さんご存じかと思いますが、寝室で喘息発作が出やすいのはホコリ(ハウスダスト)とダニが原因です。
もともと我が家の寝具は、ニトリで購入できるごく一般的な布団やカバーを使用していました。
という感じです。
夏はNクールの敷きパット+タオルケットを使っていました(かけ布団は洗えませんでした)。
ものが多すぎて洗濯するのも億劫、1ヶ月洗濯もしないこともよくありましたし、下手に掃除をするとホコリが舞ってかえって咳が出てしまう状況。
布団掃除機も使っていましたが、これでは焼け石に水だったのでしょう。
効果は全く感じられていませんでした。
振り返ってみてもホコリ・ダニがたくさんあっただろうな、という寝室環境。
思い出すだけでくしゃみがでそうです。ずぼら過ぎてお恥ずかしい。
こんな環境を改善するため、
- ずぼらでもお手入れできる環境に!
- 綿ではない、ホコリのでにくい素材へ!
- ダニ予防ができる寝具へ変更を!
の3点に重きを置いて寝具を探しました。
掛け布団はニトリのNクリーンバスターと丸洗いできるポリエステル掛け布団へ
まず始めに、1番古く、動かすだけで夫が咳こんでいた掛け布団を変えることにしました。
丸洗いできて、防ダニ対策ができている寝具として、掛け布団はニトリで揃えることにしました。
掛け布団は、ニトリ×TEIJINで開発された洗えるポリエステル + 防ダニ効果のあるものを選択。
洗えるポリエステルはホコリがたちにくく、洗うことでダニの繁殖も防げるので、アレルギーのある方の強い味方です。いろいろ機能がついててもそこまで値段がはらないのも嬉しいポイントです。
カバーは、Nクリーンバスター。なんと生地がハウスダストを吸着・分解してくれるとのこと。
1.ハウスダスト(花粉やダニのフン・死がい)を生地に吸着。
ニトリ公式通販より抜粋
2.ハウスダストのたんぱく質(アレル物質)を分解します。
3.分解後のアレル物質は、手で払うだけで簡単に除去できます。
こちらは通常のカバーと比較すると少しお高いですが、その分効果に期待します。
いざ掛け布団を変更してみると、掛け布団を動かしても夫の喘息発作が出ませんでした!
布団を変えただけでこんなに違うなんて!と驚いたよ。
それにこのつるつるした手触りが気持ち良くて好きだな!
古かったかけ布団を捨てたことも大きいと思うけど、新しい布団をバタバタしても咳が出ないのには驚いたよね!実験台にして申し訳ない!
カバーの手触りが気持ちよかったので、、綿だった枕カバーもNクリーンバスターに変更しました。これも快適です。
ただ、完全に発作がなくなったわけではなく、やはり子供がジャンプするとぜーぜー言っていました。
タオルケットをパシーマに変更
次に目をつけたのがタオルケットです。
夏の時期だったので、愛用のタオルケットを使用していました。
こちらはちょくちょく洗濯していたのですが、やはりバタバタするとホコリは出ていました。
タオルケットの代わりになるもの、、とネットで検索してたどり着いたのがパシーマという寝具です。
パシーマ公式HPより抜粋
- ジャブジャブ丸洗いできて、アトピー・アレルギーの方にも。
- ガーゼ・脱脂綿とも脱脂綿メーカーとして医療用純度まで高めています。
- ガーゼの織り、製綿、精練・染色、裁断・縫製、検品・検針まで、自社工場で一貫して生産しています(J∞QUALITY、日本ものづくり大賞)。
- 使用する綿花は、弾力、繊維長などを吟味。厳選したもののみを使用しています(ホコリが少なく、洗濯するほどふんわり)。
公式HPでアトピーやアレルギーの方にも、と明記している製品は多くなく、よほど自信があるのだろうと思いました。
半信半疑ではありましたが、ものは試しで注文してみたのですが、これが本当に優れもの。
寝室のQOLが格段に上昇しました。
肌触りは、公式HPに書いてあるようなふんわり、とまではいかず、綿と比べると少しごわっとする感じもあり最初は少し不満でしたが、使っているうちにだんだんと肌になじんできていて、3ヶ月ほどたった今はふわっとして気持ちよいです。
身長155cmの私だと、ジュニアサイズでちょうど良い大きさでした。
たしかに全然ホコリがたたない寝具だけど、まだ子供のジャンプで発作は出ていたよ。
マットレスの上は最小限に。カバーはなくしてパシーマのパットシーツへ変更
最後に難題のマットレス側。ニトリの店員さんおすすめの通りにセット購入しましたが、ほんとにこんな重ねる必要ある?というほどに重ねていました。
それも掃除が行き届かない原因で、ベッドパット外して、カバー外して、中のパットと防水シーツをいちいち外して全部洗う、、、とか、大掃除じゃないとしない。。。(;゚ロ゚)
更に、このマットレスカバーにものすごいホコリがつくんです。
そこで思い切ってカバー、ベッドパットを破棄し、パシーマのパットシーツを導入しました。
少しお高いですが、キルトケットでその良さを実感していたので迷いなく購入。
これが効果てきめん!!!
とうとう子供がジャンプしても夫の喘息発作が出なくなりました!
寝室で安心して子供と遊べるようになったよ。
薬ではなく、環境改善だけで喘息発作を抑制できるとは!私も勉強になった!
さらにこのパシーマ、公式HPに書いてあるとおり、夏は適度な保温で快適、冬になるととても暖かい。
使うまでは信じていませんでしたが、本当でした。おかげで衣替えの必要もなくなりました!!
かぶせたりゴムで止めたりする必要がなく置くだけなので、お手入れの手間も少ないのも嬉しいポイントでした。
お手入れのこと
パシーマは週1回は洗濯をするように記載されています。
洗濯そんなにするの!?と初めは思いましたが、カバーではなく敷いているだけなので手間がかからず、洗濯してもすぐ乾くので全く苦じゃないんです。
自分でもびっくりですが、このずぼらな私が、しっかり週1回パシーマを洗濯してます。
防水シーツ・掛け布団は1ヶ月1回ペースで洗濯し、その際にマットレスに布団掃除機をかけています。
布団掃除機で出るゴミが顕著に減っているので、ホコリはかなり減っていると思います。
まとめ
我が家の寝具はこう変わりました。
ものが減ったことでホコリ減少はもちろん、お手入れが格段にしやすくなりました。
1年間使い続けてみて、またホコリの量や寝具の状況などもレポートできればと思います。
また、今回の経験で、喘息治療には環境がとても大事であることがよく分かりました。
もちろん喘息治療に吸入療法は不可欠です。夫の喘息は軽症なので環境改善だけで日常的な発作が抑制できましたが、風邪を引いたときなどの発作は別問題です。喘息の方は主治医と相談し、しっかりと定期吸入を行いましょう。
わかりました!
今回の我が家の経験が、喘息で辛い思いをされている方々のお役に立てば幸いです。
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